音声外来
声について困ったことありませんか?何科の病院に受診すればいいか悩んだことありませんか?そんな時は耳鼻咽喉科、特に音声外来を掲げている病院に受診することをお勧めします。
音声障害について説明させていただきます。
音声障害とはどのような症状か。
音声障害は「音質,声の高さ,声の大きさ,発声努力などの変化により、コミュニケーションを損なう、あるいは声のQOL(生活の質)が低下すること」と定義されています。簡単にいうと、声がいつもの自分の声ではない、と感じた場合が音声障害といえます。具体的には声がかれる、出したい声が出ない、声が震える、大きな声が出ないといった症状です。
原因は?
音声障害を来す様々です。
- 風邪や、大声を出したことで、声帯に炎症が起きて声が出なくなる場合。
- のどに負担をかける声の出し方や生活習慣が原因で声がかすれる。
- 甲状腺疾患や肺、食道がんの手術後に声帯の動き自体が悪くなる場合(反回神経麻痺)、あるいは加齢のために声帯が萎縮しているなど左右の声帯が閉鎖しないために声を出そうとしても息漏れが強く大きな声が出せない状態。
- 声帯の筋肉に、自分の意志とは無関係に力が入ってしまい、つまり声や、声のとぎれが起きてしまう。
- その他にストレスが掛かったときにも声が出なくなることもあります。悪性腫瘍が原因となる場合もあり、声が出なくなったときには注意が必要です。
原因をどのように診断するのか。
詳細な問診を行った上で、声を聞き、ファイバースコープで病変の有無を確認したり、ストロボ光(粘膜の柔らかさを評価する特殊な光)で声帯の細かな動きを診断します。
病院を受診するタイミングは?
風邪などで数日間声が出ない、声のトラブルが2週間以上続く場合は耳鼻科を受診し検査をお勧めします。
どのような治療方法があるか。
炎症が原因である場合は吸入療法や、声を一定期間出さない沈黙療法が有効です。
ポリープや声帯自体に原因があり吸入や沈黙を行って改善が無い場合は、全身麻酔で口の中から顕微鏡や内視鏡で声帯を拡大視し手術を行う、外来で電子内視鏡を鼻から入れて局所麻酔での手術が検討されます。必要時は言語聴覚士の先生と声の出し方訓練を行う場合もあり、専門の施設に紹介させていただきます。
日常の注意点は?
適度な水分補給は重要です。また声のトラブルを起こす人は声を酷使している方が多く、長時間話しがちな人は注意が必要です。タバコを吸う方は禁煙をお勧めしています。