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頭頸部がんの早期発見

頭頸部がんとは

“頭頸部”とは体のどこを指すのか、わかりますか?あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、簡単に言うと脳と目を除いた首から上すべての領域を指します。
この領域にできるがんを“頭頸部がん”と言います。

頭頸部癌でできる部位

頭頸部がんは、できた部位によって、鼻腔・副鼻腔がん、口腔がん(舌がんもこの中に含まれます)、喉頭がん、唾液腺がん、咽頭がん、甲状腺がんなどに分けられます。

頭頸部がんの症状は部位によってさまざまで、病気ができる部位により症状が若干異なります。
喉頭がんや咽頭がんでは、声がかすれる、食べた時に喉がしみる、喉の詰まりや違和感、リンパ節が腫れることによる頸部のしこりができることがあります。
舌がんでは舌の外側の縁にしこりができることが典型的な症状です。しこりができなくても2週間以上治らない口内炎の症状は注意が必要です。
鼻の奥にできる上咽頭がんでは最初の症状が中耳炎の場合があります。
甲状腺がんでは喉ぼとけの下辺りにしこりができたり、声がかすれるなどの症状が出ることが挙げられます。

どのような人は注意すべき?

頭頸部がんは、健康診断や人間ドックの検査項目に入っていません。初期段階では自覚症状に乏しく、また異常があってもがん特有の症状に乏しいことから、見落とされやすい傾向にあります。他の科の受診で偶然発見されることが多く、初診時では半数以上が進行した状態で見つかっています。気づいた時にはかなり進行したり、転移が見られるケースもあります。
早期発見が何より大切ですので、そのために以下の項目に該当する方は注意が必要です。

生活習慣や体質

お酒を飲むとすぐ顔が赤くなる、お酒を毎日1.5合以上飲む、煙草を吸う、これまでに頭頸部癌、食道がん、胃がんになったことがある

症状

口の中(舌など)にしこりがある、触ると痛い状況が1ヵ月以上続いている、しばしば出血する、1ヵ月以上治らない口内炎がある、顎の下のしこりがある
喉 風邪や声の出しすぎがないのかかわらず、1ヵ月以上声のかすれが続いている、喉の違和感が1ヵ月以上続いていて、酸っぱいものや辛いものを食べると喉がしみる、タンにしばしば血が混じる、呼吸が苦しい・息が臭い、首にしこりがある

その他

頬が腫れてきて1ヵ月以上症状が続いている、ものが2重に見える、匂いのある鼻出血を繰り返す

上記のような生活習慣や体質は、頭頸部がんのリスク要因です。また、症状のチェック項目はいずれも頭頸部がんの初期症状です。どれか1つでも当てはまる項目があったり、気になる点がある場合は、ためらわずに耳鼻咽喉科を受診してください。

どのような検査を行うの?

当院においては頭頸部がんの診察には、まず問診、視診、触診を行います。そして内視鏡の検査を行います。使用する内視鏡やOLYMPUSの最新のカメラを導入しています。このカメラを使用することで微小な早期病変も発見することができます。必要時は組織の一部を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を調べる病理検査を行って、確定診断がなされます。がんであることが確定された場合、治療が可能な施設に紹介させていただきます。

早期発見の重要性

例えば咽頭がんの場合、早期発見、早期治療ができれば、全身麻酔は必要ですが、癌と周辺の粘膜を切除可能で内視鏡を使用し切除できるので入院も1週間程度、機能障害もほぼ残らずに治療が可能です。しかし、進行した場合、手術であれば喉頭を大きく切除しなければならず、声が出ないなど、放射線抗がん剤での治療では喉頭を温存可能ですが治療の影響でのどの違和感や、食事ができなくなるなどの症状が出現する可能性があり生活の質が大きく低下します。早期に発見し早期の治療が非常に重要となります。

最新の機械があっても正確な診断眼がないと猫に小判です。頭頸部診療に特化し頭頸部外科専門医を有しながら開業している医師は私を除き福島県内にはおりません。10年以上大学で培った診断眼で早期の病変の発見に努めてまいりますので、上記症状に思い当たる場合は受診を検討ください。

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